飲酒運転の厳罰化傾向が強まり、更にタクシー料金の値上がりが続く現在、顧客側の居酒屋選びのポイントは「より近く、より帰りやすい場所の店」に傾くようになっています。つまり今後の集客アップを狙う時、「店舗近隣エリア」をターゲット範囲とした広告を打っていく必要性がより高くなっていと言えるでしょう。特定地域をターゲットとした広告方法としては、昔ながらの「ポスティング型チラシ」が有効な方法のひとつとなっています。ここでは居酒屋のチラシをポスティングした場合の効果や、実際の集客事例についてご紹介していきましょう。
居酒屋のポスティング効果とは?
1)店の認知度の上昇
近隣の店舗に対する住民の認知度は、店舗側が思っている以上に低いものです。特に以下のような店舗の場合、自宅から徒歩5分~10分圏内でも「存在を知らなかった」という住民の率が高くなります。
・開店時間が遅い店舗
・表通りに面していない店舗
・ビル2F以上・地下にある店舗
つまり夕方からの開店となることが多い居酒屋の場合、外食の選択肢そのものに上がらない確率も高くなってしまうのです。ポスティングチラシで店名やマップをアピールすれば、このような顧客側の認知度を飛躍的に上げることが可能となります。
2)店内情報・価格情報による信頼感の上昇
カフェ・美容院のようなガラス張りの店舗に比べ、居酒屋は「外側から様子を伺う」ということが難しい傾向にあります。そのため顧客側にしてみれば「店がどんな雰囲気なのかがわからない」「入りづらい」と感じられ、初見客の足が遠のいてしまうことも多いのです。
ポスティングチラシで店舗内のイメージ写真や価格帯を乗せれば、顧客側は「これなら使えそう」「気軽に行けそう」という親しみやすさや信頼感を持ちます。
3)店の個性・サービスの印象付け
顧客がいくつかの居酒屋の中から選択をする時、そこには価格だけでなく「個性」が求められます。日本酒がうまい、魚が新鮮である、焼き鳥のメニューが豊富である、店だけの独自メニューがある…
このような「店の個性」をポスティングチラシで打ち出せば、顧客の記憶にも残りやすく、選択される可能性が高くなるのです。
またランチサービス・季節毎のサービス等の新サービスを開始した場合、店舗の中や外でポスターを貼ってもなかなか認知度は上がっていかないもの。しかし「ランチも食べられる」「宴会向けのサービスがある」といったサービスの提供内容をチラシでわかりやすくアピールしておけばサービス認知度が上がり、従来とは異なる客層の獲得にも繋がります。
4)割引クーポンによるチラシ効果の長期化
情報のみのチラシの場合、居酒屋に興味を示した未来顧客であっても、店の名前やメニュー等をチェックした後にはチラシを破棄してしまう傾向が見られます。ここで破棄をされず、チラシが手元に残される大きなポイントとなるのが「割引クーポン」です。
特に切り取り型で財布等に入れられるクーポンは、「次回外食時のために」と保存される傾向を持っています。そのためポスティング直後だけでなく、一週間後・二週間後といった集客の長期化が見られるのです。割引サービス内容を工夫することで、空き席率が高い曜日・時間の集客率を上げることにも繋がります。
ポスティングチラシによる成功事例
「早割クーポン」で夕方の集客率を上昇
居酒屋A店は、近隣に事業所の数が少ないことから集客時間が遅くなる傾向を持ち、特に開店直後の17:30~19:00の集客率が低い問題に悩んでいました。そこでポスティングのチラシでは、18:30までの入店でドリンク1杯を無料とする「早割クーポン」を添付。また同時に店の今後の目玉である「地方B級グルメ」を大きくアピールしたデザインで、近隣へのポスティングを行いました。
ポスティングを行った翌週から、18:00台の入店率が上昇。更に今まで注文率の上がらなかった目玉メニューが注目されるようになり、Webでの口コミ数も飛躍的に伸びを見せるようになりました。空き席率の低下のみならず、店舗の個性のイメージ付ができた結果、地元の「話題の店」となることに成功しています。
「宴会向けチラシ」でリピート大口顧客を獲得
近隣に小中規模の事業所・工場が多い居酒屋B店では、週末前等の集客率は比較的良いものの、宴会の季節の顧客を大型チェーン店に奪われる悩みを持っていました。そこで忘年会・新年会の行われる年末前シーズン、送別会・歓迎会の行われる春シーズン前に、「宴会メニュー」と「個室の室内写真」を大きくアピールしたチラシを作成。更に幹事向けのクーポン付きメッセージカードも添付し、事業所の多いエリアを中心にポスティングを行いました。
メニュー価格と人数による割引率をわかりやすく表記した結果、前年度よりも1ヶ月以上早い段階で個室予約が埋まることに。更に宴会で大手チェーンに無いきめ細やかなサービスを徹底したところ、翌年からの宴会使用のリピート率が70%以上という高い成功を収めています。
おわりに
他の外食系飲食店舗に比べると、居酒屋は「大手チェーンがポスティングチラシをあまり打たない」という傾向も持っています。これは、大手の場合には駅前等の立地の良い場所に巨大な看板を出せ、認知度を自然に高められるためです。つまり大手の使わない「ポスティング」をうまく使いこなせば周囲の店舗との差異化が生まれ、小中規模の店舗でも認知度を一気に高められる可能性が大きいことになります。アピールしたい部分を絞込み、魅力的なチラシで集客効果を狙ってみましょう!